日本経済 2016 1 23
最近の報道では、
原油安が世界の株安を招いていると言われ、
日本の株価も急落しています。
これは、資金繰りが苦しくなった産油国が、
持ち株を処分しているからだと言われています。
株価が急落していると不景気の雰囲気が出てしまいますが、
原油安が不景気につながるとは限らないのです。
日本の場合は、原油の99%を輸入していますので、
原油安は、日本経済にとってはプラスです。
たとえば、2014年7月、ガソリン価格は、
1リットル150円を超えていましたが、
今は、最安値で1リットル98円を表示するガソリンスタンドがあります。
また、灯油価格も大きく下がっています。
さらに、石油から作る工業用原料にも恩恵があります。
石油化学工業では、石油を原料として、合成繊維や合成樹脂を作ります。
このように、原油安は、
日本経済にとっては、大いにプラスです。
ところで、日本は原油の99%を輸入していると書きましたが、
残りの1%は、どうなっているのかと思ったでしょう。
実は、日本は産油国でもあります。
たとえば、新潟県の温泉のいくつかは、
油田開発の過程で、温泉を掘り当てたと言われています。
現在でも、新潟県、秋田県、北海道には、油田があります。
ただし、1990年代の原油価格の低迷で、
秋田県の零細な油田は閉鎖されることが多かったと聞いたことがあります。
最近も、原油価格の低迷が続いていますので、
日本国内の油田をどうするか考える必要があります。
原油は、産業にとって、必須ですので、
日本国内の油田を維持していく必要があります。
産油国 2006 1 15
産油国というと、中東諸国を連想しますが、
実は、日本も、産油国です。
現在でも、新潟県や秋田県で、原油が生産されています。
もちろん、産出量は微量で、国内自給率は1%にもなりません。
しかし、明治時代には、「石油王」と呼ばれた人がいました。
新潟県には、石油開発時代の歴史が見学できるところがあります。
「日本書記」には、「越国から燃土、燃水が献上された」という記述があります。
新潟県の新津地方では、古くからの原油が、地表に、にじみ出ているところがあったのです。
新潟県内の温泉は、油田の試掘の途中で発見された温泉が、数か所あると聞きました。
意外にも、日本は、石油資源が豊富だったと言えるかもしれません。
しかし、それでも、石油は、日本産を使うよりも、外国から買った方が、割安なのです。